「The Language of Life」(1990) / Everything But the Girl

レビュー

イギリスの音楽ユニット、エブリシング・バット・ザ・ガール(以下EBTG)による5枚目のスタジオアルバム。

80年代ニューウェイヴ期のネオ・アコースティックを代表するバンドだが、作品ごとに音楽性を変えながらも、聴く人に寄り添うようなオシャレな作品をリリースし続けてきた。

決して大きなヒットを飛ばしたわけではなく、地味な存在でありながらも根強いファンが多く、2022年にはついに再結成を果たした。「The Language of Life」はそんな彼らの代表作の一つとなっている。

名プロデューサとの出会い

1990年にリリースされた「The Language of Life」だが、ネオアコ期のアコースティックなサウンドから脱却。都会の洗練された雰囲気を感じさせる、AOR風味の作品となった。

本作制作前、EBTGの二人は音楽性に行き詰まりを感じていたといい、それを知ったジャズ界の名プロデューサーのトミー・リピューマが二人に声をかけたことで、本作制作が実現したという。

この出会いによって新たな方向性を得た彼らは、明確な試みを持って本作を制作。結果的にキャリアでリリースした作品で2番目にヒットした作品となった。

EBTGの魅力が際立つ代表作

元々ジャズ的なアプローチも強かったEBTGだが、本作ではそれがより強調されたため、彼らの長所・魅力がより際立った作品と言えるのではないだろうか。

本作を聴いて再認識させられたのは、ヴォーカルであるトレイシー・ソーンの低音ヴォーカルが、ジャズと非常に親和性が高いということ。ネオンサインがきらめく都会の情景を表現するのにこれ以上ない歌声であるように感じる。

更にギターのベン・ワットは、本作でギターの他にピアノも演奏するようになり、本作の世界観を際立たせる。

この本作でのアプローチは、EBTGの引き出しから魅力的な部分がうまく引き出されることとなったと感じる。結果的にバンドの代表作に挙げられることとなった本作。

初期の名アルバム「EDEN」とともに彼らの入門としておすすめできる作品だ。

トラックリスト

  1. Driving
  2. Get Back Together
  3. Meet Me in the Morning
  4. Me and Bobby D
  5. The Language of Life
  1. Take Me
  2. Imagining America
  3. Letting Love Go
  4. My Baby Don’t Love Me
  5. The Road

赤マーカは、おすすめ曲

コメント

タイトルとURLをコピーしました